草雲会 お知らせ版
~ちょっと得する介護保険の使い方 その4~
このシリーズも4回目を迎えました。今まで主に在宅サービスについて説明をしてきましたが、今回は「施設サービス」について2回にわたってお話したいと思います。介護保険サービスを利用されている方、またその予定のある方、もしかすると一番興味のある部分なのかもしれません。
介護保険の施設には主に3つのタイプがあります。まず一つ目は、介護老人保健施設(通称「老健」)です。町内では「ケアセンター千鳥」がこれにあたり、ここでは維持的(病院の積極的なリハビリとは異なります)なリハビリや介護を提供してくれます。この施設は「中間施設」とも呼ばれ、文字通り「家と病院の中間」また「病院と施設の中間」などに使われることが多く、たとえば病院に入院され家に在宅復帰したいと思うのだけれど、もう少しリハビリがしたい・・、あるいは家族の準備期間がもう少し必要なのでその間だけ・・、というような使われ方をするのがこの施設の特徴で、標準的な入所期間は3ヶ月または6ヶ月程度です。
ところが最近は施設(特養など)入所待機者があまりにも多く、その長い待機期間をこの施設で過ごされる方が多くなっているのが現状です。
2番目にご紹介するのが「介護療養型医療施設」です。このタイプは残念ながら現在は町内にはありません。隣市町村だと、松江市の「松江記念病院」や安来市の「安来第一病院」などがこれにあたります。この施設の一番の大きな特徴は、病院の中にある医療施設ということです。そのため機能としては医療の提供ができる体制を持ちながら、病状的には比較的安定した利用者への看護や介護を提供することができるという点です。
しかし、その病床数は数が限られており、継続的に医療行為(痰吸引や経管栄養、カテーテルの留置など)が必要な方々が、すぐには入り辛い状況になっていることも事実です。(以前はもう少し数が多かったのですが、国が出した「介護療養病床廃止」の方針により削減されました。ちなみに現在この法案は廃案になっています。)
最後にご紹介するのは、私たちの「ケアプランセンター東寿苑」の母体施設である「特別養護老人ホーム 東寿苑」に代表される「介護老人福祉施設」です。「特養」という略称で呼ばれることも多いと思います。文字通り福祉施設であるため、医療・看護あるいはリハビリの提供については前の二つの施設にかないませんが、ここでは何よりも自宅で暮らせなくなったお年寄りさんの思いを大切にしながら、その方の"終の棲家"として「その人の望む暮らし」ができるよう介護サービスを提供していきます。
ところが、この施設の申し込み待機者が、なんと100名を越える状態で、待機期間は2~3年はおろか下手すると5~6年もかかってしまうことが実態として明らかになっています。(東寿苑に限らず他の特養も同様の状況と思われます。)
先に説明した「老人保健施設」で施設待機者の長期利用が多くなって、本来の中間施設としての利用形態が難しくなっていることがこのことからも伺われます。
但し、入所の順番については緊急性等を勘案し、そのことが確認されれば優先的に入れるといった措置がとられる仕組みになっています。在宅支援を行っているケアマネジャーは、その方の状況をよくみて、その必要性について施設の相談員に伝える役割も持っていますので、入所に関して希望される場合は遠慮なくご相談ください。
利用料金については前回の「食費等の減免」で説明したとおり世帯の所得により決まる仕組みになっています。ちなみに東寿苑の場合、国民老齢年金受給者(80万円以下)でそれ以外に世帯の所得がない場合は、(介護度によって若干違いますが)3~4万程度になると思います。(※施設利用料の詳細についてお知りになりたい方は施設の入所相談係までお問い合わせください。)
今回は介護保険施設3施設の特徴について説明しました。次回はそれ以外の施設(グループホーム、有料老人ホーム等)についてお話しようと思いますのでお楽しみに・・。
もっと詳しい話を聞きたいという方は、お気軽にケアプランセンター東寿苑(52-6068)までご連絡ください。お待ちしています。
(主任介護支援専門員 菅原 朋代)