草雲会 お知らせ版
~おひとりさまの介護保険 地域福祉編~
今回は「介護保険」から少し話がそれますが、「地域福祉」という視点で書いてみたいと思います。
私は今、ケアマネジャーの仕事に就いていますが、その昔、地域福祉活動の担当をしていたことがあります。地域福祉活動というと一体何だろうと思われるかもしれません。具体的に言うと、施設とボランティア活動をしたい人とのコーディネートをしたり、地域にある学校の福祉教育に協力したり、ボランティア活動のお便りを作成して配布したり……と、要は施設が一番いい形で地域に貢献できるように色々な活動や調整や相談を行っていました。
その一つに『子どもボランティアクラブ ライブリークラブ』がありました。対象は小学生、福祉教育を兼ね毎月の「親子ボランティアスクール」を開催したり、それぞれ個人のボランティア活動に応じて、オリジナルグッズをプレゼントしたり……と、子どもが喜びそうなことを色々と考えながら活動を展開していました。ライブリークラブの会員たちは、東寿苑の施設見学や介護用品・福祉用具のお試し利用を皮切りに、高齢者の方々とのコミュニケーションにとても積極的で、そんな子どもたちに対して高齢者の皆さんはとてもやさしくて……、子どもたちの中には、家におじいちゃんやおばあちゃんがいない子もいましたが、自然に高齢者の皆さんとの接し方を身につけていくようでした。子供たちにはそれぞれの親御さんも一緒についてボランティア活動に参加してくださり、子どもの活動とはいえ大人も一緒になって活動をするという相乗効果も生み出していました。
実は、そんなライブラリークラブ会員だった女の子に最近再開しました。当時は可愛らしい小学生でしたが、今は立派な訪問看護師さんに成長していました。あの頃から何となくこの道の仕事に憧れていたとのこと。彼女は彼女で自分の道を志し成長を続け、再び私の前に現れました。今度は同じ仕事の仲間として……。彼女だけではなく、私自身も年を重ね、別のポジションであるけれど、この道に携わって仕事を続けている……、本当に感慨深いものです。
この仕事を続けていて、”人との出会い”や”縁”というものを非常に強く感じます。ただ、それは偶然の産物ではなく、この仕事が”人と人とを紡いでいく”そんな仕事であるといえるとも思います。私たちは高齢者の皆さんに寄り添って支援をすることを生業としていますが、その高齢者の皆さんが、実は私たちをつないでくれている…、そんな感謝の思いを今更ながら感じています。そんな感謝の思いがケアを生み出し、またこれから私だけではなく「ボランティア活動」に代表される「自助」や「共助」など様々な支えあいが存在しています。それらがうまくかみ合い”一人ひとりに優しい地域”になるように、私たちはこれからも、学び、考え、努力し、続けていかなくてはならないと思っています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
(東寿苑居宅介護支援センター TEL 52-6068 主任ケアマネジャー 菅原朋代)